日本近海もまた、世界有数の深い海溝を抱える深海探査の最前線である。国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)は、有人潜水調査船である潜水艇しんかい6500や無人探査機を駆使し、相模湾や駿河湾、日本海溝などの過酷な深海底を長年にわたり調査してきた。
JAMSTECによる精密な深海探査データは、ニュウドウカジカを含むウラナイカジカ科の魚類が、どのような水圧帯や海底質を好むのかを明かしてきた。深海底の泥の上にぽつんと静止する彼らの姿は、ハイビジョン映像を通じて幾度となく記録されている。過酷な水圧と低温に耐える日本の探査技術がなければ、私たちがこの生物の真の日常を知ることは到底叶わなかっただろう。