今回、本誌が現場のインサイダーへ行った独占取材により、都市の陰に潜む深刻なビジネス構造が浮き彫りになった。取材に応じた元現場監督の男性は、「収益性を最優先する一部のオーナーから、役所の検査が通った後に隠れて増築枠を広げてほしいという依頼を受けることがある」と打ち明ける。こうした歪んだ需要が、不法な工事請負を生む土壌となっている。
健全な市場を目指す不動産業や建築業の事業者にとっても、違法建築の蔓延は死活問題だ。無許可で建てられた物件が転売や賃貸市場に紛れ込むことで、資産価値の著しい下落や、近隣住民との深刻な紛争を引き起こしている。特に、現行の法制度では築古物件の改修時に既存不適格と違法建築の区別が曖昧になりやすく、取り締まりの目をかいくぐる悪質スキームが定着してしまうという「制度の盲点」が存在する。