日本のインナーウェア市場を牽引してきた株式会社ワコールとトリンプ・インターナショナル・ジャパンの長年のデータは、日本人の体形変化を写し出す鏡だ。
トリンプ・インターナショナル・ジャパンが長年公表してきた「トリンプ下着白書」の売上実績を振り返ると、1980年代にはA〜Bカップの売上が過半数を占めていた。ところが、2010年代後半から急増したD〜Fカップの売上構成比は留まることを知らず、現在ではDカップ以上が全体の半数を超える年もあるほどだ。
この劇的な変化の裏には、ワコール人間科学研究開発センターによる半世紀以上の人間工学研究がある。同センターでは延べ4万人以上の女性の身体を継続計測し、加齢に伴うバストの変化や立体的な構造の変化を解明してきた。バストそのものが巨大化したというより、立体的なパターンメイキング技術の向上によって「正しいサイズを選べるようになった」結果が、数字のシフトとして表れているのだ。