糖尿病の真の恐怖は、痛みのないまま全身の血管と神経を蝕んでいく点にある。血糖値が高い状態が数年から数十年続くと、特に足の末端にある細小血管がダメージを受け、毛細血管の血流が途絶えていく。同時に末梢神経も麻痺し、足の感覚が麻痺する。怪我をしても気づかない。
この「気づかない」ことこそが悲劇の始まりだ。擦り傷やタコ、小さなたむしから侵入した細菌が、血流障害によって酸素や栄養が行き渡らない組織の中で爆発的に増殖する。気づいた時には皮膚や筋組織が黒く変色し、死滅していく現象が進行している。自己判断による放置が、取り返しのつかない事態を招くのだ。