日本発祥とされる絵文字文化は、いまやグローバルなデジタルコミュニケーションの基盤となった。文字コードの国際標準を策定するUnicodeコンソーシアムが維持管理するUnicode規格により、異なるシステム間でも意味が共通化されているはずである。しかし現実はそう単純ではない。
同じUnicodeコードポイントが割り当てられた絵文字であっても、iOSとAndroidではグラフィックの描写や表情の微細なニュアンスが微妙に異なる。たとえば「汗をかいた笑顔」のアイコンは、あるOSでは「冷や汗をかきながら苦笑いしている様子」に見える一方で、別の端末では「運動後の爽やかな汗」のように表示されることがある。受信側のOS環境によって絵の印象が変化するため、送信者が意図した真意とは全く別のメッセージとして解釈されるリスクが潜んでいるのだ。