もののけ姫の舞台「たたら製鉄」の謎!玉鋼を生む超絶技巧と現在

もののけ姫の舞台「たたら製鉄」の謎!玉鋼を生む超絶技巧と現在

もののけ姫の舞台「たたら製鉄」の謎!玉鋼を生む超絶技巧と現在の総合ガイドをご紹介します。最新トレンドが詰まっています。

たたら製鉄の起源は古墳時代にまで遡りますが、江戸時代中期に「高殿(たかどの)」と呼ばれる全天候型の建屋と地下の防湿構造(床釣構造)が完成したことで、「永代たたら」と呼ばれる高度な産業システムへと結実しました。この操業を統括する最高技術責任者が「村下(むらげ)」と呼ばれる棟梁です。

村下は炉の築炉から解体まで、すべての工程を取り仕切ります。操業中の3昼夜、村下はほとんど仮眠すら取らず、炉の小さな覗き穴(坂口)から見える炎の色、立ち上る煙の匂い、風の吹き込み音を五感で察知し、砂鉄と木炭を投入するタイミングを秒単位で指示します。

温度計が存在しなかった時代から、経験と勘のみで1,000度を超える炉内の化学変化をコントロールする村下の技は、まさに職人芸の極致。炉壁の粘土が適度に溶けてスラグを形成し、還元反応が最もスムーズに進む環境を保ち続ける神業によって、最高ランクの玉鋼が結晶化していくのです。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。