端座位(たんざい)とは、ベッドや診察台の端に腰掛け、下肢(太ももから下)をベッドの外へ垂らして両足の裏を床につけた姿勢を指します。理学療法や作業療法、看護・介護の現場では、臥床(寝たきり)状態から立ち上がり・歩行へと移行する中間ステップとして日常的に用いられています。
臨床において端座位が重視される最大の理由は、早期離床リハビリ効果の高さにあります。長期間のベッド上生活によって生じる廃用症候群(筋力低下、関節拘縮、心肺機能低下、起立性低血圧など)を断ち切るために、端座位をとることは全身の生理的スイッチを入れる合図となります。上半身を起こして重力に抗うことで、抗重力筋(背筋や腹筋、下肢筋群)が刺激され、脳幹網様体が賦活化して意識レベルや認知機能の向上が期待できます。
また、端座位と混同されやすい姿勢に「長座位(ちょうざい)」があります。長座位はベッドや床の上で両脚をまっすぐ前方に伸ばして座る姿勢です。これら2つの姿勢には、身体にかかるバイオメカニクス(生体力学)上の決定的な違いが存在します。