熱心な野球ファンほど、1対0や2対1といった僅差の投手戦に強い興奮を覚えます。ファンを惹きつけてやまない理由には、大きく分けて3つの要素が存在します。
1つ目は、「ミスが即座に勝敗へ直結する究極の緊張感」です。打撃戦であれば1点や2点の失点は後から打線が取り返すチャンスが十分にあります。しかし、互いに一歩も譲らない投手戦では、たった1球の失投、守備のわずかなファンブルがそのまま試合の決勝点となります。この張り詰めた空気感が、観る者のアドレナリンを刺激します。
2つ目は、「1打席ごとのドラマ性の高さ」です。好投手を相手にする打者は、第1打席で見せられた球種や軌道をインプットし、第2打席、第3打席で狙い球を絞り直します。対するバッテリーも打者の反応を見て攻め方をガラリと変えるため、打席を重ねるごとに知恵比べの密度が増していきます。
3つ目は、「守備のファインプレーが生み出すカタルシス」です。投手がピンチを背負った場面で飛び出す鮮やかなダブルプレーや、外野手のダイビングキャッチは、1本のホームランに匹敵する劇的な歓声をスタンドにもたらします。