像の高さは約9メートル。三本の柱で支えられたドーム状の台座の頂点には、金色の折り鶴を両手で力強く掲げた少女の像が配置されています。下から見上げると、少女が折り鶴を今まさに青空へ放とうとしているかのような、未来への希望を感じさせる造形です。少女の両脇には、友情や未来への歩みを象徴する少年と少女の像も配されています。
ドームの真下、空洞になった内部を覗き込むと、頭上に一つの鐘が吊るされていることに気づきます。これは原爆の子の像の鐘と呼ばれ、ノーベル物理学賞を受賞した湯川秀樹博士が揮毫した「千羽鶴」の文字が刻まれたものです。鐘の下には黄金の折り鶴を模した舌(ぜつ)が吊るされており、風が吹くたび、あるいは参拝者が紐を引くたびに、深く柔らかな音色が公園内に響き渡ります。
そして、訪れる者の胸を最も強く打つのが、足元の自然石に刻まれた原爆の子の像碑文です。
「これはぼくらの叫びです これは私たちの祈りです 世界に平和をきずくための」
主語が「ぼくら」「私たち」となっているのは、この像が特定の大人の思想ではなく、子どもたち自身の魂の叫びから生まれた証です。簡潔でありながら痛烈なこの言葉は、戦争の悲惨さと、命ある者たちが引き継ぐべき不戦の誓いを端的に示しています。