ネット上の口コミなどで「市販薬を飲んだのに全く効かなかった」という声を頻繁に見かけます。この現象には、薬理学的な明確な理由があります。
市販されている主要な睡眠改善薬の主成分は、抗ヒスタミン成分である「ジフェンヒドラミン塩酸塩」です。この成分は、覚醒を促す脳内のヒスタミン受容体をブロックすることで眠気をもたらします。しかし、人間の身体は数日連続で服用すると急速にこの成分に対する耐性を形成してしまいます。
つまり、服用して2〜3日も経つと、同じ量を飲んでも眠気を感じにくくなるのです。慢性的な不眠に悩んでいる人が「最強の睡眠薬」を求めて市販薬に頼っても、期待通りの効果が得られないのはこのメカニズムが原因です。市販薬は「ここぞという数日だけ使う」という前提で作られている点を理解しておく必要があります。