お風呂屋さんとは何の略?銭湯との違いと隠語の歴史・実態を徹底解剖

お風呂屋さんとは何の略?銭湯との違いと隠語の歴史・実態を徹底解剖

お風呂屋さんとは何の略?銭湯との違いと隠語の歴史・実態を徹底解剖に関する質問を丁寧にまとめました。最新データをご覧ください。

歓楽街の個室浴場が「お風呂屋さん」と呼ばれるようになった背景には、昭和から平成にかけての風俗業界の歴史と、日本特有の法規制が深く絡み合っています。かつてこれらの施設は「トルコ風呂」と呼ばれていました。転機が訪れたのは1984年(昭和59年)のことです。当時、東京大学に留学していたトルコ人留学生ヌスレット・サンジャクリ氏が「自国の尊厳と文化を著しく傷つけている」と訴えを起こし、厚生省(現・厚生労働省)へ陳情を行いました。

この抗議運動が大きな社会的反響を呼び、全国組織である特殊浴場協会は名称の公募を実施。タレントで劇作家の小沢昭一氏らが選考に携わり、1985年(昭和60年)に決定された新名称が「ソープランド」でした。しかし、この名称自体があまりにも露骨な風俗営業の代名詞となったため、一般の会話や求人媒体、SNS等で直接的な表現を避けるための婉曲表現として「お風呂屋さん」という呼称が選ばれ、定着していった経緯があります。

法的枠組みの観点からも、この二重性は興味深い構造を持っています。施設自体は「公衆浴場法第2条」に基づく浴場としての認可を受けつつ、同時に「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)第2条第6項第1号」に規定される「店舗型性風俗特殊営業(個室付浴場業)」として厳格な規制下に置かれています。法律上は「個室に浴槽を備え、従業員が入浴者の身体を洗うサービスを提供する場」と位置づけられており、この建前こそが「お風呂屋さん」と呼ばれる所以となっています。

伊藤 翔太
著者

伊藤 翔太

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。