だが、時間が経つにつれ、作品の真価を再評価する声も広がっている。日本の漫画・アニメ業界において、初老の冴えない男をSFヒーローの主人公に据えた作品は極めて稀有だ。老い、病、孤独、SNSでの無神経なバッシングなど、現実の日本社会が抱える病理を容赦なく描写した上で、テクノロジーと人間の倫理観を交錯させた物語の先脈は今見ても色褪せない。
配信プラットフォームの普及により、NetflixやAmazon Prime Videoなどで一気見する鑑賞スタイルのファンが増加した。リアルタイムの週刊連載追いに比べて一気に物語を消費すると、隕石衝突への展開も物語全体の疾走感の一部として捉えられやすくなり、「切なくも美しい傑作」という肯定的な評価が増加している。