なぜ人々は、わざわざ息を切らして急勾配の階段を上ってまでこの場所を目指すのか。答えは至ってシンプルだ。標高約40メートルの崖上から見下ろす相模湾のパノラマは、国道134号線沿いの路面店では絶対に味わえない圧倒的な没入感をもたらしてくれるからにほかならない。
赤と白のパラソルが鮮やかに映えるテラス席に腰を下ろすと、目の前を遮るものは何ひとつ存在しない。波の音が遠く低く響き、海を渡る風が頬をかすめる。春先や秋口の澄み切った空気の日には、水平線上に浮かぶ伊豆大島や富士山の雄姿がはっきりと目に飛び込んでくる。まさに「湘南のアマルフィ」という名に恥じない、異国情緒溢れる劇的なロケーションだ。