東京都新宿区の目抜き通りに面しながら、暖簾を一歩くぐればそこは別世界だ。高層ビルがそびえ立つ近代都市の真ん中で、昔ながらの大衆食堂としての佇まいを崩さない姿勢には脱帽する。ガラガラと引き戸を開けると、使い込まれたパイプ椅子と木目調のテーブルが整然と並び、手書きのメニュー札が壁一面を埋め尽くしている。
時代の流れとともに周囲の店舗が次々と最新のチェーン店やカフェへと姿を変える中、一貫して庶民の胃袋を支え続けてきた歴史がある。単に腹を満たすだけの場所ではなく、人々が肩を寄せ合い、日々の疲労を癒やす都市のオアシスとしての役割を果たしているのだ。