多くの人が頭を抱える最大の要因は、日本語の助詞である「を」と「まで」の機能差にあります。結論から整理すると、両者が指し示している数字のポジションは1桁ずれています。
「小数第2位を四捨五入」という表現における「を」は、処理の直接の対象を示しています。つまり、小数第2位の数字そのものを見て、それが4以下なら切り捨て、5以上なら切り上げる操作を行います。その結果、小数第2位の数字は処理されて消滅し、最終的な数値は「小数第1位まで」の表示に縮小されます。
一方で、「小数第2位まで求める(概数にする)」という表現における「まで」は、最終的に残す範囲の境界線(ゴール地点)を示しています。小数第2位を残すためには、その直後の桁である小数第3位を四捨五入しなければなりません。小数第3位の数値を判定基準にして切り上げまたは切り捨てを行うことで、小数第2位の数字が確定します。
例えば、「12.345」という数値を例にとって比較してみましょう。
「小数第2位を四捨五入」する場合、操作対象は小数第2位の「4」です。「4」は四捨五入のルール(4以下は切り捨て)により切り捨てられるため、答えは「12.3」となります。
これに対し、「小数第2位まで求める(小数第二位まで求める)」場合、残したいのは小数第2位の「4」までです。したがって判定するのは1つ下の桁である小数第3位の「5」となります。「5」は切り上げ対象(5以上は切り上げ)となるため、小数第2位の「4」に1が加算され、答えは「12.35」へと変化します。
このように、指示語が「を」なのか「まで」なのかによって、残る桁数はおろか、数値そのものが変わってしまいます。これが、試験問題での失点やビジネス書類での検算不一致を引き起こす根本原因です。