箱根ヶ崎駅の交通ネットワークを語る上で絶対に外せないのが、駅東口ロータリーを発着するバス路線の充実度です。とりわけ鉄道ファンや地域住民の間で名高いのが、東京都交通局が運行する都営バス「梅70系統」の存在です。
この梅70系統は、青梅車庫から青梅街道・新青梅街道を東進し、箱根ヶ崎駅前、東大和市駅前を経由して花小金井駅北口までを結ぶ、都営バス路線の中で最長の走行距離(片道約28km)を誇る異色の長距離路線です。23区外の多摩北西部にポツンと存在する都営バスでありながら、鉄道が東西に直結していないエリアをダイレクトにつなぐ重要な動脈となっています。
日中の梅70系統は毎時1〜2本程度の運行ですが、八高線が運転見合わせや大幅遅延に見舞われた際、西武拝島線(東大和市駅)や西武新宿線(花小金井駅)へ抜ける強力なバックアップルートとして威力を発揮します。また、立川バスによる立川駅北口行きの路線や、西武バスによる狭山市駅・入間市方面への路線も発着しており、鉄道の単線ダイヤをバス路線網が補完する重層的なアクセス構造が構築されています。駅前のバス停掲示時刻表と鉄道時刻表を組み合わせた「マルチモーダルな時間管理」こそが、箱根ヶ崎エリアをストレスなく移動するための奥義と言えます。