肉を食べない状態が長期化するとき、最も警戒すべきはエネルギー不足ではなく微量栄養素の欠乏だ。日本小児科学会の専門医らも警鐘を鳴らすのが、成長期に急増する「鉄欠乏性貧血」である。肉類、特に赤身肉に含まれるヘム鉄は体内への吸収率が極めて高く、脳の発達や全身への酸素供給に不可欠な役割を果たす。
厚生労働省の国民健康・栄養調査データを紐解いても、幼児期の鉄分・亜鉛不足は深刻な潜在リスクとして横たわる。鉄分が慢性的に不足すると、日中の集中力低下や不機嫌、睡眠障害、さらには運動機能や認知機能の発達遅延を引き起こしかねない。「元気に見えるから大丈夫」と過信せず、早期に血中ヘモグロビン値や栄養状態へ目を配ることが求められる。