劇場の熱気に応えるように、彼は続いてフルデジタルアニメーション『ほしのこえ』を完成させる。2002年、監督・脚本・作画・撮影・編集のほぼ全てを自宅のMac1台でこなした約25分の短編は、トリウッドのスクリーンで爆発的な大ヒットを記録した。連日超満員の立ち見客が押し寄せ、館外まで長蛇の列が伸びた光景は、日本のアニメ史に残る事件と言っていい。
この爆発的なヒットを契機として、映像制作会社コミックス・ウェーブ・フィルムとの強力なパートナーシップが結ばれた。一個人の密やかな情熱から生まれたインディーズ映画が、劇場の熱量と結びつくことで世界へと羽ばたく構造。その幸福なエコシステムは、まさにこの場所で確立されたのだ。