東宝の配給によって世界的な大ヒットとなった『君の名は。』は、日本におけるJ-POPとアニメーション映画の関係性を根本から塗り替えた。それまでのアニメ映画における「主題歌」の立ち位置は、エンディングで流れるタイアップソングであることが多かったが、本作では劇伴音楽そのものをロックバンドが全編担当するという革新的な手法が採られた。
コミックス・ウェーブ・フィルムが描く精緻な新宿のビル群や飛騨の自然風景に、RADWIMPSのオーガニックかつソリッドなバンドサウンドが重なることで、単なる劇中歌を超えた映画言語が完成した。「夢灯籠」は、その新しい試みの象徴的な狼煙(のろし)だったのである。