奇跡の復活劇の陰で物議を醸した「手かざし治療」論争――スポーツ界と民間療法の危うい距離感

奇跡の復活劇の陰で物議を醸した「手かざし治療」論争――スポーツ界と民間療法の危うい距離感

話題沸騰中の 奇跡の復活劇の陰で物議を醸した「手かざし治療」論争――スポーツ界と民間療法の危うい距離感について、詳しいまとめをご紹介しています。

過酷な抗がん剤治療や隔離病棟での孤独。突如として襲いかかる命の危機に直面したとき、人間が精神的な支えを求めるのはごく自然な反応だ。どれほど科学的な根拠が乏しくとも、本人や家族にとって「少しでも可能性があるのであれば」「心が休まるのであれば」と選択してしまう心理は決して批判できるものではない。

アスリートの世界では、心身の極限状態を整えるために独自のルーティンや東洋医学、マインドフルネスを取り入れる例は少なくない。しかし、それが近代西洋医療(標準治療)の妨げになったり、患者の正しい医療判断を鈍らせたりするリスクがある場合、話は一変する。なべ氏のケースにおいても、「患者を思いやる純粋な善意」と「医学的に危険を孕む介入」の境界線がどこにあったのか、議論は紛糾した。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。