従来のサバイバルオーディション番組が持っていた「脱落の残酷さ」や「過度な対立構図」とは一線を画していたのが、社会現象を巻き起こした『Nizi Project』だった。日本テレビの情報番組による朝の特集と、Huluでのノーカット配信という立体的なメディア展開が、視聴者を単なる傍観者から熱心な応援者へと変貌させた。
放送を通じて視聴者が目撃したのは、ライバルを蹴落とす姿ではなく、互いの成長を心から喜び合い、抱き合って涙を流す少女たちの純粋な連帯感だった。挫折に打ちひしがれる練習生に対し、的確な課題提示と深い愛情をもった言葉で立ち直らせるプロデューサーの姿は、教育やマネジメントに悩むビジネス層の心までも強く揺さぶった。