事件の凶悪性が際立つにつれ、週刊誌各誌による取材合戦も熾烈を極めた。なかでも文春オンラインをはじめとする大手メディアは、容疑者の素顔や学生時代のトラブル、さらには家庭内の力関係について詳細なスクープを連発した。その取材過程で、被告の親族がかつて建設業・土木業界や関連業種に携わっていた経歴が断片的に報じられたことが、ネット上の憶測に更なる油を注ぐ結果となった。
地方の建設業・土木業界は地縁や血縁が濃く反映されやすい領域である。そのため、ひとたび「関係者が関与しているのではないか」という疑惑が生じると、下請け構造や同業者ネットワークにまで疑いの目が向けられた。一部のネットインフルエンサーは、業界内の類似した屋号を片っ端からリストアップし、根拠のない結びつけを行った。メディアが報じた事実の隙間を、ネットユーザーの過剰な妄想が埋めていく危険なスパイラルが形成されたのである。