晩年のジェリー藤尾さんは、決して裕福な暮らしではありませんでした。全盛期の華やかな暮らしとは対照的に、福島県福島市での生活や、神奈川県横浜市内の高齢者向けアパートなどで質素な一人暮らしを続けていました。
長年のヘビースモーカーであったことも影響し、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を患い、在宅酸素療法を受けながらの闘病生活を余儀なくされます。しかし、その生活は決して孤独なものではありませんでした。和解を果たした次女の亜紀さんが定期的に自宅へ通い、身の回りの世話や通院の付き添いを献身的に支えていたからです。
2021年7月3日午前4時52分、ジェリー藤尾さんは急性肺炎のため、横浜市内の病院で息を引き取りました。享年81。最期の瞬間、病床の傍らには次女・亜紀さんが寄り添い、その手をしっかりと握りしめていたと報じられています。
「パパ、本当にお疲れさま。ありがとう」という言葉に見送られ、かつて愛する家族をすべて奪われた男は、最後にもう一度娘のぬくもりを取り戻して旅立ちました。それは、泥沼の愛憎劇を乗り越えた先に掴み取った、あまりにも尊い救いでした。