長年にわたり作品のムードメーカーとして君臨してきた真山薫(カオル)。演じる浅野温子が後年に語った撮影の裏側には、主演を務めた舘ひろし、柴田恭兵との破天荒かつ温かな関係性があった。脚本に書かれたセリフをそのまま演じるのではなく、現場のライブ感を極限まで引き出すスタイル。タカ(舘ひろし)とユージ(柴田恭兵)のスタイリッシュなバディ感に対し、カオルの突飛な衣装や奔放な立ち振る舞いは、一間違えれば作品のリアリティを損ないかねない危険な賭けでもあった。
「ふたりが最高に格好いいからこそ、私はどこまでも自由に崩すことができた」。浅野は後年のインタビューでそう回想している。舘ひろしの包容力と、柴田恭兵のしなやかなリズム。ふたりの器の大きさが、カオルという強烈なキャラクターを伸び伸びと羽ばたかせた。NGすらを名シーンに変えてしまう現場の空気感は、昭和から平成、令和へと受け継がれるチームワークの礎となったのだ。