地上波テレビの歌番組でその姿を見かける機会が減ったのは、決して音楽活動に対する情熱が冷めたからではない。むしろ逆だ。過剰なタレント消費を強いられる現代のメディア露出から距離を置き、純粋に「音」と向き合う時間を最優先した結果である。日本を代表する最高峰のボーカリストとして、彼女は自身が納得できるパフォーマンス環境の構築に妥協を許さない。
生活の拠点の一つであるニューヨーク(NY)での日々は、彼女に新たな息吹を与えている。現地の最先端ジャズクラブや世界的ミュージシャンが集うセッションに日常的に触れることで、ボーカルの表現力はより深みを増した。NYの街筋を包む空気感と雑多なエネルギーが、彼女のソウルフルな歌声にさらなる艶と圧倒的な声量をプラスしているのだ。