「言い訳をするな。勝負はすべて己の責任だ」。一純氏が口酸っぱく教え込んだのは、圧倒的な勝負師としての覚悟だった。土俵上でどんな窮地に立たされても表情ひとつ変えず、相手に立ち向かっていく気迫。その原点は家庭内での教育にあった。
小学生時代の大会で負けて帰宅した夜には、深夜まで及ぶ猛反省会が開かれた。どこが悪かったのか。なぜ相手の圧力に負けたのか。論理的に敗因を解剖し、翌日からの稽古に落とし込む。日常の甘えを一切許さない厳格な環境が、土俵の上で生半可なことでは揺らがない鉄のメンタルを鍛え上げたのだ。