新春の伝統「花びら餅」の謎:なぜ餅の中に牛蒡と味噌餡なのか

新春の伝統「花びら餅」の謎:なぜ餅の中に牛蒡と味噌餡なのか

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歴史の糸を辿ると、平安時代の京都御所で行われていた元日の伝統行事に行き着く。当時、天皇や貴族たちの間では「歯固めの儀」と呼ばれる長寿祈願の儀式が執り行われていた。固いものを噛み砕くことで歯を強くし、頑丈な身体で齢を重ねることを祈る風習である。

この儀式で白塗りの膳に並べられたのは、猪の肉や大根、瓜、そして塩漬けにした鮎などの硬い食材だった。時代が下るにつれ、これらの重厚な料理は次第に簡略化され、餅や食材を象徴的に表現した菓子へと姿を変えていく。皇室の歴史とともに育まれた宮中和菓子の源流は、まさにこの長寿を願う切実な祈りにあった。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。