自身が現役でありながら着手した育成プロジェクト「Sugar Elite」は、従来の日本の指導体系に対する強力なカウンターラインとなっている。ここには、いわゆる「根性論」や「手取り足取り教える指導」は存在しない。大迫が若手選手や子どもたちに求めているのは、どこまでも徹底した「自立」だ。
「なぜこの練習をするのか」「自分の体の声にどう耳を傾けるか」。選手自身に思考させ、判断させるスタイルは、従来のトップダウン型指導に慣れ親しんだ日本の現場に新鮮な刺激を与えた。近年、このプロジェクト出身の若いランナーたちが箱根駅伝や国際大会で頭角を現し始めている。彼らは皆、自律したマインドを持ち、レース展開を自らコントロールする強さを持っている。大迫が蒔いた種は、確実に芽吹き始めているのだ。