他人があくびをしたのを見た直後、自分もつられてあくびをしてしまった経験は誰にでもあるはずです。この「伝染性あくび」は、霊長類や一部の高度な社会性を持つ動物(イヌやゾウなど)にのみ確認される特異な行動です。
脳機能イメージング研究によると、他人のあくびを目撃した際、他者の意図や感情を推し量る「ミラーニューロンシステム」や、共感・自己認識を司る前頭前野・側頭頭頂接合部が強く活性化します。つまり、あくびがうつる理由は共感力(エンパシー)の高さと直結しており、人間関係の親密さに応じて伝染頻度が変化することが実証されています。見知らぬ他者よりも、家族や友人、パートナーの間での方が圧倒的に伝染しやすいというデータも報告されています。