ロッド・レイスが超大型の巨人と化して礼拝堂地下が崩壊した際、ケニーは落石と火災に巻き込まれ、全身に致命的な火傷と重傷を負います。部下を全滅させられ、自身も瀕死の状態で木陰に座り込んでいた彼のポケットには、ロッドの鞄からくすねた「巨人化薬(注射器)」が残されていました。
自らに注射すれば巨人化して一命を取り留めることができたにもかかわらず、ケニーはそれを使いませんでした。駆けつけたリヴァイとの最後の対話の中で、ケニーは自分が生き延びるためではなく、その注射器を無言でリヴァイへと差し出します。この決断には、主に2つの明確な理由が存在します。
- 自らの限界の受容:自分が巨人になったところで、レイス王家の血筋ではないため「始祖の力」を真に使いこなすことはできず、ウーリと同じ精神の高みには到達できないという冷徹な現実を悟ったこと。
- 最期の人間らしい選択:「誰もが何かに酔いしれていなければ生きていけない」と気づいたケニーが、延命への執着(生への酔い)を自ら手放し、甥であるリヴァイに未来の選択肢を託すことで、自分の人生に決着をつけたこと。
この時ケニーがリヴァイに託した注射器は、後にシガンシナ区奪還作戦における「エルヴィンかアルミンか」という究極の選択へと繋がり、人類の運命を決定づける極めて重いピースとなりました。