二人の出会いは、決して派手なドラマのような演出によるものではなかった。共通の知人を介した集まりや、互いの専門領域である日独の文化・言語に関する議論の場がきっかけとなったという。言葉に対する強いこだわりと、文化の違いを楽しむ探究心が二人の距離を急接近させた。
当時からドイツ大使館での仕事や翻訳・エッセイ執筆に勤しんでいたマライ氏にとって、日本の言語文化や社会の裏側に精通した彼の視点は極めて新鮮だった。互いに自立した専門職でありながら、相手の思考プロセスを尊重し合う姿勢が深まり、自然な形で結婚への道が開かれていった。国境や言葉の壁を意識させない自由な対話の積み重ねこそが、二人の絆の原点だ。