1990年代のフジテレビは、まさに女子アナ黄金時代だった。同期や近い世代には、華やかなパリ暮らしでも知られる中村江里子をはじめ、テレビ界を席巻したスターアナウンサーたちがずらりと顔を揃えていた。各々が個性的なキャラクターでバラエティ番組を彩る中、近藤サトが選んだのは「硬派」なポジションだった。
同僚たちが明るい笑顔でスタジオを沸かせる傍らで、彼女は着物を艶やかに着こなし、文学的な言葉を紡ぎ出す役割を一手に引き受けていた。群れることを好まず、自らの専門性を研ぎ澄ます姿勢。このストイックな距離感があったからこそ、彼女の放つ大人の色気と知性は、同世代の女性たちにとって憧れの対象となり得たのだ。