現在の企業イメージを語る上で避けて通れないのが、旧東日本ハウスとの違いと歴史です。同社は1969年、岩手県盛岡市で中村功氏によって創業されました。一代で全国規模へと急成長を遂げた原動力は、徹底した現場鍛錬と、戸別訪問をいとわない「超モーレツ営業体質」にありました。
当時の住宅業界は拡大一途であり、熱意と足で稼ぐスタイルが機能していました。しかし平成から令和へと時代が移行し、消費者が透明性やコンプライアンス、デジタルでの情報開示を重視するようになると、その泥臭い営業手法は「しつこい」「押しが強すぎる」という逆風に晒されることになります。
転機となったのは、2015年の「日本ハウスホールディングス」への社名変更です。従来の単一的なハウスメーカーから脱却し、グループ全体のガバナンス強化とブランド刷新に着手。自社大工の育成機関である「日本ハウス木造建築研究協会」を軸としたクラフトマンシップの再定義や、全社的な残業削減・コンプライアンス研修の導入を進めました。
2026年現在、かつての強引な訪問営業は大幅に是正されています。しかし、地方の支店や一部のベテラン社員の中には当時の成功体験を引きずる気配も残っており、組織の近代化と現場の意識改革の狭間で生じる温度差が、営業担当者の対応とクレーム実態として表出する側面は否めません。