日本国内のタイムラインを席巻した中国ナルトダンスの元ネタは、本国中国において「科目三(クームーサン)」と呼ばれるカルチャー現象です。中国のアニメファンが『NARUTO -ナルト-』の公式企画として考案したものではなく、民間発祥のステップダンスが独自の変遷を経てアニメのイメージと結びついた結果、この呼称が定着しました。
ナルトダンス発祥の理由を辿ると、中国南部・広西チワン族自治区のローカルな風習に行き当たります。現地には古くから「広西の人間が生涯で避けて通れない3つの試験」という俗言が存在します。第一に「山歌を歌うこと」、第二に「米粉(ミーフェン)を食べること」、そして第三の試験(科目三)として「情熱的にステップを踏んで踊ること」です。元々は地元の結婚披露宴で披露されていた即興のお祝いダンスでしたが、自動車運転免許の実技試験(第三段階=科目三)に合格した若者が歓喜のあまり踊り出した動画が中国版TikTok「抖音(Douyin)」に投稿され、一気にネットミーム化しました。
これが日本をはじめとする国外へ輸出された際、両手を胸元で目まぐるしく交差させる仕草が『NARUTO』に登場する「忍術の印を結ぶ動作」に酷似していたこと、さらにAkatsuki(暁)の羽織を着たコスプレイヤーたちによる中国ナルトダンス動画がミリオン再生を連発したことから、国内ネットコミュニティにおいて「ナルトダンス」の愛称で認知されるに至ったのです。