入射角と屈折角はどっちが大きい?見分け方と作図の罠を徹底解説

入射角と屈折角はどっちが大きい?見分け方と作図の罠を徹底解説

入射角と屈折角はどっちが大きい?見分け方と作図の罠を徹底解説について分かりやすく解説いたします。専門家の見解をご確認ください。

水の中から空気中へ光を進めるとき、入射角を徐々に広げていくと、ある特異な物理現象に遭遇します。入射角よりも屈折角のほうが大きくなるため、入射角をある一定以上の広さに広げた瞬間、屈折角が数学的な限界である90度に到達してしまいます。

この「屈折角がちょうど90度になるときの入射角」のことを臨界角と呼びます。水の場合は約48.6度、一般的なガラスでは約41.8度です。

では、入射角を臨界角よりもさらに大きくすると光はどうなるのでしょうか。光はもはや空気中へ出ていくことができず、境界面の境界で100%完全に跳ね返る現象が起きます。これこそが全反射と臨界角の条件です。

全反射が起きるためには、絶対に外せない2つの物理的条件が存在します。

  • 条件1:屈折率が大きい媒質から、屈折率が小さい媒質へ進むこと(密から疎へ:水やガラスから空気へなど)。空気から水に入る際には絶対に全反射は起きません。
  • 条件2:入射角が臨界角よりも大きいこと(入射角 > 臨界角)。

通常の鏡(銀蒸着ミラー)は光を反射させても数パーセントから十数パーセントのエネルギーが熱として吸収・損失してしまいます。しかし、全反射は光のエネルギーを理論上100%漏らさずに反射させるという驚異的な特性を持っています。

この物理法則を極限まで活用した現代社会のインフラが、インターネット通信を支える「光ファイバー」です。中心部(コア)の屈折率を外側(クラッド)よりも高く設計することで、内部に入ったレーザー光線が全反射を延々と繰り返しながら、地球の裏側まで光速に近いスピードで減衰せずに信号を届けています。胃カメラなどの医療用内視鏡や、ダイヤモンドがわずかな光で眩い輝きを放つカッティング技術も、すべてこの臨界角と全反射の計算に基づいて設計されています。

井上 凛
著者

井上 凛

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。