ネット上のダイエット情報やファンの間でまことしやかに語られる「二郎系にまつわる言説」の中には、医学的・栄養学的に見ると危険な誤解が数多く存在します。
もっとも蔓延している誤解が「ヤサイマシにすれば野菜たっぷりなのでヘルシー」「ベジタブルファーストで血糖値の上昇が防げる」という説です。確かに、モヤシとキャベツ自体は低カロリーかつ食物繊維を含みます。しかし、二郎系の現場で行われているのは「熱々の乳化スープと液体油、そして上から降り注ぐ味付け背脂の中に野菜を沈める」という行為です。茹でられたモヤシは細胞膜が破壊されており、スポンジのように濃厚な脂質混じりのスープを吸い上げます。結果として、野菜を食べているつもりで「大量の脂と塩分をまとった高カロリーな温野菜」を咀嚼しているに過ぎません。
また、「黒烏龍茶を飲んでいるから脂肪吸収はゼロになる」という過信も散見されます。特定保健用食品に含まれる重合ポリフェノールには、確かに小腸でのリパーゼ活性を阻害し脂肪排出を促進する効果が報告されています。しかし、その抑制率はせいぜい摂取脂質の15〜20%程度にとどまります。1,500kcal中、脂質が80g含まれる一杯を食べた場合、カットできるのは10〜15g前後の脂質(約100〜130kcal程度)に過ぎず、残りの莫大なカロリーは平然と吸収されます。
さらに危険なのがラーメン二郎のスープを飲み干す(完飲・全汁)行為です。スープを完全に飲み干すと、底に沈んだ骨髄粉や旨味調味料とともに、約500kcal以上の純粋な脂質と8gを超える食塩がすべてダイレクトに血管系へ吸収されます。血管内皮機能への急激な負担と血圧の急上昇を招くため、心血管系リスクの観点からも極めて避けるべき選択肢と言えます。