恵方巻き作りで最も緊張する「巻き」の工程ですが、物理的な仕組みさえ把握すれば失敗しません。
巻きすの上に海苔を置く際、海苔のツヤがあるツルツルした面を下(外側)にし、ザラザラした面を上に向けます。海苔の横幅いっぱいに酢飯を広げますが、ここでの鉄則は「手前1cm、奥2〜3cmの余白を必ず空ける」ことです。酢飯の厚みは均一にし、中央をわずかに窪ませると具材が安定します。
具材は、崩れにくい卵焼きやきゅうりを手前と奥に配置し、中央に柔らかい具材(海鮮やでんぶ)を挟むように置きます。巻き始める際は、親指で巻きすの手前を持ち上げ、残りの指で具材を軽く押さえながら、手前の酢飯の端を奥の酢飯の境目に向けて一気に被せます。ここで巻きすの上から全体をキュッと締め、芯を固定します。残りの余白部分を転がすように最後まで巻き、巻き終わりを下にして10分ほど休ませると海苔とご飯がしっかり馴染みます。
縁起担ぎの丸かじりではなく、子どもや高齢者向けに切り分ける場合は包丁の扱いに注意が必要です。包丁の刃先を酢水で濡らし、刃元から刃先へ向かって「押さずに大きく前後に引く」ように刃を滑らせます。1回切るごとに包丁についたデンプンを濡れ布巾で拭き取ることで、断面が崩れず美しい仕上がりをキープできます。