唐揚げのバリエーションとして頻繁に比較される「チキン南蛮」や長野名物「山賊焼き」との違いも整理しておきましょう。
チキン南蛮は、下味をつけた鶏肉に小麦粉をまぶし、溶き卵を絡めて揚げた後、甘酢に浸してタルタルソースをかける宮崎県発祥の料理です。衣に卵液を使う「ピカタ」に近い製法が、唐揚げや竜田揚げとの決定的な分岐点となります。
長野県中信地方の郷土料理である山賊焼きは、鶏の骨付きもも肉やすね肉の一枚肉を、ニンニクを強烈に効かせた醤油ダレに漬け込み、片栗粉をまぶして豪快に揚げた料理です。製法自体は竜田揚げに極めて近いものの、サイズ感の豪快さとニンニク風味の強さが際立っています。
また、竜田揚げは鶏肉だけでなく、サバやタラなどの白身魚、鯨肉とも抜群の相性を誇ります。魚特有の生臭さを醤油・みりん・生姜の下味がマスキングし、片栗粉が余分な水分を抑えて香ばしく仕上げるため、和食の魚料理において竜田揚げは不動の地位を築いています。