ドラッグストアのヘアケアコーナーには多種多様な高機能シャンプーが並んでいますが、あえてシンプルな純石鹸による頭皮環境の改善を目指す動きが定着しています。石鹸で髪を洗う最大のメリットは、皮脂汚れの強力な洗浄力と成分の生分解性の高さにあります。
一般的な高級アルコール系シャンプーに多用される合成界面活性剤は、すすいだ後も頭皮に残留しやすく、バリア機能が低下した肌には刺激となるケースが指摘されてきました。対して純石鹸は天然の動植物油脂とアルカリから作られており、水で薄まることで界面活性力を失う性質を持ちます。そのため、必要な皮脂を適度に残しながら余分な角質や酸化した皮脂をすっきりと洗い流し、毛穴の詰まりを防ぐ利点があります。
一方で、医師が警鐘を鳴らす注意点も存在します。2026年2月20日に公開された皮膚科専門医による臨床解説によると、「髪の毛は本来pH4.5〜5.5の弱酸性であるのに対し、固形石鹸はpH9〜10の弱アルカリ性であるため、洗髪直後はどうしてもキューティクルに物理的な負担がかかりやすい」と指摘されています。加齢に伴い皮脂分泌が減少する60代以降の世代では、過度な脱脂が頭皮の乾燥やかゆみを助長する恐れもあるため、自身の頭皮状態を見極めた使い分けが求められます。