ステロイドの代表格である「プレドニゾロン」は、治療目的によって設定される用量が大きく異なります。体重別の投与設計は、副作用のリスクと治療効果を天秤にかける極めて重要な基準です。
一般的に、皮膚炎やアレルギー症状を抑える「抗炎症用量」は体重1kgあたり0.5〜1.0mg/日程度に設定されます。一方、免疫介在性溶血性貧血(IMHA)や血小板減少症、天疱瘡などの重篤な自己免疫疾患では、自己の免疫暴走を強力に抑え込むため、「免疫抑制用量」として体重1kgあたり2.0〜4.0mg/日の高用量が用いられます。
例えば体重5kgの小型犬の場合、抗炎症目的であれば1日2.5〜5mg(錠剤半分〜1錠程度)ですが、免疫抑制目的では10〜20mgと数倍の投与量になります。投与量が多くなるほど、また投与期間が長期に及ぶほど、副作用の発現率は比例して上昇します。獣医師は病態の好転を確認次第、隔日投与や段階的な減量を行い、最小有効量を見極めるアプローチをとります。