名曲誕生の契機となったのは、当時のNHKプロデューサー・今井彰氏による中島みゆきへの熱烈なオファーでした。1990年代末、バブル崩壊後の長引く不況と自信喪失に打ちひしがれていた日本社会において、「戦後復興を支えた無名の日本人たちの誇りを取り戻す番組を作りたい」という構想が立ち上がりました。
制作陣が中島みゆきに主題歌を依頼した際に出した要望は、「決して上から目線の応援歌にしないでほしい」「男たちの汗と涙を包み込むような、地を這うような力強い歌にしてほしい」という極めて抽象的かつ難度の高いものでした。当時の中島みゆきは、提供された企画書とパイロット映像を深く読み込み、わずか数週間で『地上の星』とエンディング曲『ヘッドライト・テールライト』の2曲を同時に書き上げたと伝えられています。
完成したデモテープを聴いた番組スタッフ全員が、その圧倒的なスケールと詩の深さに言葉を失い、涙を流したというエピソードは有名です。依頼主の想像をはるかに凌駕する強度を持った楽曲が、こうして世に送り出されることになりました。