神社仏閣で授かるお守りの有効期間は、一般的に「授与されてから1年間」とされています。神仏からのご加護に感謝し、1年間の厄を吸い取ってくれたお守りを感謝とともに古神札納所へ納め、新たなご神徳をいただくのが神道の基本的なサイクルだからです。
ではなぜ、「日光東照宮のお守りは一生持てる」という噂がこれほど定着しているのでしょうか。その真相を紐解くと、「神社(日光東照宮)」と「寺院(日光山輪王寺薬師堂)」の神仏習合の歴史が大きく関係しています。
現在の日光東照宮の境内エリアには、明治の神仏分離令を経てもなお寺院として管理されている「薬師堂(本地堂)」が隣接しています。この薬師堂で授与されている「鳴龍 鈴鳴り守」こそが、「鈴の音が鳴り続ける限り、一生涯ご利益が持続する」と僧侶から公式に案内されているお守りなのです。この薬師堂の鈴守りの特徴が、エリア一帯を総称する「日光東照宮のお守り」として広まり、「日光のお守りは返納不要で一生持ち続けられる」という評判を生み出しました。
一方、日光東照宮(神社側)の通常のお札やお守りに関しては、原則として1年ごとの返納が推奨されています。ただし、家康公の遺訓が刻まれた記念性の高い守り袋や、特別な祈願を込めて手元に置く授与品については、単なる消耗品ではなく「心の支え」として生涯大切に所持する参拝者も少なくありません。