SNSやネット掲示板では「窓のない家は違法建築である」「火事になったら逃げ場がなくて即座に窒息する」といった極端な言説が散見されますが、これらには多くの誤解が含まれています。
まず、非常時の脱出経路に関する誤解です。建築基準法施行令では、火災時の避難および消防隊の突入用として、一定規模以上の建築物に対して「非常用の進入口」または「代替進入口(赤色逆三角形マーク)」の設置を義務付けています。2階建て以下の一般的な戸建て住宅であっても、道路側が完全な壁面である場合は、バルコニーや中庭側の開口部を通じて法的に安全な避難動線が確保されているため、火災時の安全基準を無視した建築はそもそも認可されません。
もう一つの盲点は、固定資産税と維持修繕費に関する事実です。「窓が少ないから固定資産税が安くなる」という噂がありますが、これは誤りです。家屋の評価基準において、窓サッシ自体の減点よりも、外壁材の施工面積増加や中庭の特殊納まり、鉄骨補強といった構造仕様の上昇分が加算され、むしろ一般住宅より家屋調査での評価額が高くなるケースが珍しくありません。10〜15年ごとの中庭防水の再施工費用を含め、中長期の維持管理費を正確に把握しておく必要があります。