館内に足を踏み入れてまず目を奪われるのが、鮮やかな赤いボディに白いコントラストが映える「丸ノ内線301号車」だ。昭和30年代の東京を駆け抜けたこの車両は、当時のモダンなデザインをそのまま残している。車内に入ると、どこか懐かしいワックスの香りと、レトロなシートの質感が五感を刺激する。
そのすぐ隣には、日本初の地下鉄車両である「銀座線1001号車」が鎮座している。こちらは国の重要文化財にも指定されており、大正末期の木造風の意匠が美しい。当時の最先端技術とモダンガールたちが乗車した時代の空気感が、葛西の高架下に奇跡的に保存されている。