「まさか自分の届け出が保留になるとは思わなかった」。都内に住む30代の父親は、昨秋に生まれた長男の出生届を提出した際の困惑をそう振り返る。彼が考えたのは、光を意味する漢字に「あうら」という響きをあてた名前だった。窓口では「一般的な読み方との関連性」について説明を求められ、最終的に別の読み方に変更せざるを得なかったという。
法務省のガイドラインでは、漢字本来の意味や慣用から外れ、社会的に混乱を招く読み方は認められないとされている。例えば、漢字の「高」を「ひくし」と読ませるような、意味が正反対になるケースや、キャラクター名をそのまま当てはめるような例だ。自治体の窓口担当者は、毎日のように「どこまでが許容範囲か」という判断を迫られており、現場の緊張感は高まっている。