ネット上の掲示板やSNSでは、「ブラックダイヤを買って卵を採ったのに、子が真っ黒なだけでラメが出ない」「固定率が悪いのではないか」という書き込みが散見されます。しかし、改良メダカ専門のブリーダーの間では、この認識には明らかな誤認が含まれていると指摘されています。
結論から申し上げますと、「体色が黒くなる固定率」は90%〜95%以上と極めて優秀です。オロチの遺伝子が強く機能しているため、白や中途半端な茶色に先祖返りする個体はごくわずかです。
一方で読者が知っておくべき真実は、「親と同等以上の極上ラメ密度を受け継ぐ確率」は30〜40%程度というシビアな現実です。メダカのラメ表現は単一の遺伝子だけで決まるのではなく、複数のポリジーン(多数の微小効果遺伝子)や成長期の環境要因が複雑に絡み合っています。そのため、100匹の稚魚を育てた場合、以下のような内訳になります。
- 極上個体(全体の約15〜20%):背中一面にびっしりとラメが乗り、ヒレ先まで輝く親クラス。
- 中級個体(全体の約40〜50%):ラメはしっかり確認できるが、一部に隙間がある鑑賞用クラス。
- 下物・黒無地個体(全体の約30〜40%):黒体色のみが強く発現し、ラメが数粒〜微量しか乗らない個体。
「固定率が低い」と嘆く多くのケースは、F1(仔世代)の選別淘汰を行わずにすべての稚魚を一括飼育してしまっていることが原因です。美しい血統を維持するためには、生後2ヶ月前後の段階で上物個体だけを種親として選別する「選抜の目」が不可欠となります。