甲斐田ゆき代表キャラ徹底解説|不二周助とクラピカに見る少年声の真髄

甲斐田ゆき代表キャラ徹底解説|不二周助とクラピカに見る少年声の真髄

甲斐田ゆき代表キャラ徹底解説|不二周助とクラピカに見る少年声の真髄の全体像を詳しく解説してご紹介します。

甲斐田ゆきという表現者を語る上で、絶対に外せない双璧が『テニスの王子様』の不二周助と、1999年版『HUNTER×HUNTER』のクラピカです。この2役は、日本のボーイズキャラクター表現における美学を一段引き上げたと言っても過言ではありません。

まず、青春学園中等部テニス部の「天才」と称される不二周助。普段は糸目でおだやかな笑みをたたえながら、仲間を侮辱された瞬間に冷徹な眼光を放ち、相手を技術で圧倒する――。この極端な二面性を、甲斐田は過剰な芝居に頼ることなく、ごく自然な「吐息の温度差」で表現しきりました。必殺技「燕返し」を放つ際の張り詰めたトーンと、日常シーンで見せる穏やかなささやきの対比は、当時のアニメファンに強烈な美意識を植え付けました。甲斐田本人が過去のステージやインタビューで「不二は感情を爆発させるのではなく、内に秘めることで強さを増すキャラクター」と語っていた通り、引き算の美学が完璧に結実した好例です。

一方、同族の復讐に燃えるクルタ族の生き残り・クラピカでは、痛切なまでの孤独と気品を両立させました。1999年版アニメのオーディション時、音響監督や制作陣が求めたのは「復讐者でありながら、決して下品な暴力性に染まらない高潔さ」でした。甲斐田が放った第一声は、少年特有の繊細な声変わり前のトーンを維持しつつ、底知れぬ怒りと知性を内包しており、制作スタッフを満場一致で唸らせたという逸話が残っています。クラピカが「緋の眼」を発動させる場面の張り裂けそうな叫びと、仲間に見せる微かな温もりの演じ分けは、今もなお多くのリスナーにとって「クラピカの声といえば甲斐田ゆき」と記憶される所以となっています。

山本 拓海
著者

山本 拓海

デジタルガジェットとスマート家電の検証記事を多数執筆。失敗しないモノ選びを提案します。