実際に企業現場では、「所存です」という言い回しがどのように受け止められているのでしょうか。大手転職エージェントのキャリアアドバイザーや、東証プライム上場企業の人事採用担当者へのヒアリング取材、さらにはネット上の各種掲示板に寄せられる実体験を照らし合わせると、現場特有の生々しいリアルが浮かび上がってきます。
採用選考の現場において、所存です履歴書志望動機への記載は定番中の定番とされています。しかし、あるITメガベンチャーの採用責任者は次のように本音を語っています。「志望動機の最後に『貴社に貢献していく所存です』と書かれていても、それ自体で評価が上がることはありません。むしろ、具体的な行動計画や実績の裏付けがないまま『所存です』だけで結ばれている書類は、定型文を当てはめただけの思考停止として減点対象にすらなり得ます」。
また、社内チャットツールでのやり取りに関する知恵袋やコミュニティの投稿では、「Slackで業務報告をした部下から『早急に対応する所存です』と返信が来て、堅苦しすぎて距離を感じた」「チャットのテンポ感が削がれる」といった違和感の声が散見されます。一方で、大規模なシステム障害や重大な納期遅延のお詫びメールにおいては、「『改善に努めます』では軽すぎる。『再発防止に向けて全社を挙げて取り組む所存でございます』と書かれていて初めて、事態の深刻さと覚悟が伝わった」という意見が大半を占めます。言葉自体の正しさだけでなく、その場に求められる重厚感とのバランスが極めてシビアに問われているのです。