長年にわたり「ウエスタン&サザン・オープン」の名で愛されてきた本大会ですが、近年は原点である「シンシナティ・オープン」の名称が公式に前面へ押し出されています。このウエスタン&サザンオープン名称変更理由と真相には、大会所有権の移行と大規模な施設改修が深く関係しています。
米投資会社ビーモック・キャピタル(Beemok Capital)がトーナメントを買収した際、一時はノースカロライナ州シャーロットへの大会移転計画が浮上し、テニス界に激震が走りました。しかし、地元政界や熱狂的なファンの強い慰留、そして約2億6000万ドル規模に及ぶリンドナー・ファミリー・テニスセンターの改修投資が決定打となり、オハイオ州メイソンでの存続が確定した経緯があります。地元金融大手ウエスタン&サザン社とのパートナーシップを維持しつつも、1899年創設という全米最古級の歴史を世界へ再発信するため、大会名のブランディングが見直されたのです。
ウエスタン&サザンオープン歴代優勝者と経緯を振り返ると、この地は数々の伝説を生み出してきました。ロジャー・フェデラーが歴代最多となる7度の優勝を誇り、ノバク・ジョコビッチが全マスターズ1000制覇(キャリア・ゴールデン・マスターズ)の偉業を成し遂げたのもこのセンターコートです。新旧の歴史が交錯するこの舞台は、単なる全米オープンの前哨戦という枠組みを遥かに超えた特別な重みを持ち続けています。