エンバーミングとは?湯灌との違いや費用相場・後悔しない選び方を解説

エンバーミングとは?湯灌との違いや費用相場・後悔しない選び方を解説

エンバーミングとは?湯灌との違いや費用相場・後悔しない選び方を解説とはどんな影響があるのか? 主要なファクトを整理してお届けします。

葬儀の打ち合わせで最も多くの遺族が混乱するのが、「エンバーミング」「湯灌(ゆかん)」「死化粧(ラストメイク)」の役割の違いです。名称は似ていても、施される目的や作業範囲は明確に分かれています。

湯灌は、古くからの宗教的儀礼に基づき、逆さ湯などで故人の身体を洗い清めて現世の苦しみや穢れを落とす儀式です。また、ラストメイクは旅立ちにふさわしい表情を整えるためにファンデーションや口紅などを施す表面的な化粧技術を指します。これらはいずれも身体の内側に手を加えることはなく、長期的な防腐効果はありません。

一方のエンバーミングは、科学的・衛生学的なアプローチによって体内の血液や体液を排出し、保全液へと置き換える外科的処置です。その明確な違いと、遺体保存期間とドライアイス比較を一覧表にまとめました。

処置・保全項目詳細・処置内容保存可能期間と冷却方法費用相場と特徴エンバーミング血管を利用した体内洗浄・防腐・殺菌、顔面や身体の本格修復、死化粧10日〜2週間程度
(ドライアイス原則不要・常温安置)15万〜25万円前後
根本的な衛生保全と表情再生を実現湯灌(ゆかん)専用浴槽による身体の洗浄・洗髪、身だしなみを整える宗教的儀礼防腐効果なし
(ドライアイス併用で2〜4日が限界)5万〜10万円前後
家族立ち会いのもと送る儀式性が強い死化粧(ラストメイク)肌の保湿、整顔、ファンデーション・口紅塗布などの外観整容防腐効果なし
(ドライアイス併用が必須)3万〜5万円前後
納棺師による表面的な美粧処置ドライアイスのみ腹部や胸部を中心に氷を配置し、低温で内臓腐敗を一時遅延2〜3日が推奨限度
(凍結による皮膚変色や硬直が発生)1日あたり0.8万〜1.5万円
日数が伸びるほど費用が累積する

死化粧とラストメイクの違いについて疑問を持つ方もいますが、実務上はほぼ同義として扱われます。ただし、通常のラストメイクはあくまで皮膚の表面に化粧を施すだけであるため、皮膚の下で起こる体液の漏出や内出血の変色を完全に隠し続けることは困難です。エンバーミングでは血管内から専用の染色色素を含む保全液を届けるため、肌の内側から自然な血色が蘇るという大きな差が生まれます。

橋本 菜々子
著者

橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。